胎児発育評価のための基準胎児発育曲線
-非線型モデルを用いた数量化基準曲線-
篠塚憲男、中村敬。平山宗宏
東京都母子保健サービスセンター
東京母性医療ネットワーク
新生児学会雑誌 30(3)433-441,1994
概要
東京都母子保健サービスセンターの産科データベースに集積された69,666例を対象とし,非線型モデルを用いた数量化した基準胎児発育曲線を作成した.児奇形等の胎児異常,中毒症等母体合併症のない妊娠24週以降の単胎出生例,23週以前は死産例も含めデータを抽出した.妊娠週数毎の体重の確率密度分布より外れ値を検定棄却し,ANOVAを用い経産性別と体重の関連を検討した後,妊娠週数毎体重の平均,偏差を算出,非線型モデルを用い基準曲線を作成した.この統計処理により12,362例が棄却され57,304例が解析対象となった.経産/性別による差は32週以降で有意となり,32週で分割したlogistic
modelにより数量化が可能であった.従来の曲線は33〜37週で我々の曲線より下方に幅広くなっており,これは曲線作成時に妊娠中毒症の母体因子を除外していないためと考えられた.発育曲線の数量化により胎児の発育をその偏差により一元的に評価できるようになり,モデルの拡張により発育予測も可能と考えられた。
Keywords Fetal growth, Standard curve, non-lenear regression,
Logistic model, Growth model
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