Fetal Abnormality Diagnosis Assistant System
脱脳(encephalocele)
・頭蓋骨の部分的欠損とその部位からの脳の脱出が特徴。
・神経管吻側の閉鎖不全が原因。
・正中部に多発し、二分脊椎と合併することがある。
・羊膜索症候群、Meckel-Gruber症候群などに合併する。
・神経学的な予後は不良。
脱脳の例
脱脳(17週)
後頭部の頭蓋骨欠損部から脳の実質が脱出しているのが観察される。妊娠6週頃に神経管吻側の閉鎖不全が起こると脱脳の原因となる。脱脳が正中部に多発すること,二分脊椎と合併することがあることは,これにより説明可能である。羊膜索症候群による頭蓋の形成不全が脱脳を起こすことがある。
脱脳の超音波像は,次の3つのタイプに分けられる。 1)髄膜瘤を呈する頭蓋外の嚢胞性腫瘤
2)頭蓋に接した脳回様のパターンを示す充実性腫瘍 3)髄膜脳瘤(meningoencephalocele)を呈する充実性と嚢胞性の混合パターン
合併奇形としては水頭症(hydrocephalus),二分脊椎(spina bifida),小頭症(microcephaly)が知られている。また,前方の脱脳では顔裂や眼窩隔離を伴うことがある。また,Meckel-Gruber症候群は脱脳,renal
cystic dysplasia,多指症,頭蓋内奇形を呈する常染色体劣性の遺伝疾患である。脱脳の予後は,嚢内に脳組織が存在するかどうかにより大きく異なる。脱脳が発見された妊娠週数によっては妊娠の中断も考慮すべきである。
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